修理のため1ヵ月間ドック入りしていた「ニューかめりあ」が戻ってきたので,センサー類の電源立ち上げと時計合わせのために博多港に行ってきました。UPSが空になっていたので強制リブートをかけると,なんとか通常起動できるようになりました。
いつもは早朝の入港なので,なかなか見る機会のない 綱取り作業も見れました。
2017/08/14-16に,台南と基隆を訪問して,台湾海峡を往復するフェリー「台馬之星」のGPSアンテナの交換と,与那国島と台湾東岸のレーダの合成に関する打ち合わせを行ってきました。
レーダのデータは,タイプの異なる2種類のレーダの合成方法として,CODAR社のソフトを使用する方法と,最適内挿法を用いる方法を試してみます。潮流成分を先に除くか,黒潮・沿岸・外洋と海況の異なるエリアで影響半径をどう設定するかなど,色々と試してみる必要がありそうです。
台馬之星へのアンテナの設置は,炎天下の基隆で行いました。以前のアンテナが漏水していたので,今回は簡便なレドームを作成してみました。数週間後に,設置状況を
再度確認してみる予定です。
昨年度の博士課程の王さんと書いた論文”Coastal Waveform Retracking for Jason-2 Altimeter Data Based on Along-Track Echograms around the Tsushima Islands in Japan”が Remote Sensing に掲載されました。http://www.mdpi.com/2072-4292/9/7/762
幕張の日本地球惑星科学連合 (JpGU)とAGUのjoint meeting 2017に参加してきました。今回は,日本海洋学会の春季大会も合同しています。全般的には盛況だったのと,測地や気象・陸水などの懐かしい人達と会って情報交換ができたのは個人的には良かったです。ただ,海洋学会の評議委員会や総会が夜遅くまでかかったり,海洋専門の測器メーカーの展示が少なかったりと,まだまだ色々と改善の余地はありそうでした。異分野融合の議論とともに,海洋に特化した議論も大切だと思うので,秋の学会との性格分けを明確にするのが大切そうですね。
東大の柏の葉キャンパスで開催された東京大学大気海洋研究所の共同利用研究集会「海洋物理船舶観測フェスタ2017」で, 「船上離発着するドローンによる海洋観測の可能性について」のお話をしました。ドローンの技術は進展が目覚ましいので,非現実的に見えても本当に実現してしまう可能性が高い分野です。船からXCTDを積んで数百m間隔の測点で一斉にリリース,なんて観測は1年後には実現しているかも・・・。サブメソスケールの現象の観測手法が,大きく変わるかもしれませんね。
イタリアのフィレンツェのSant’ Apollonia Auditoriumで開催された10th Coastal Altimetry Workshopに,Science Steering Comiteeメンバーとして参加し,”Comparison with the Coastal Sea Surface Height Retrieved from Along-Track Jason-2 Continuous Waveforms and the HF Ocean Radar Data in the Tsushima Strait”という発表もしてきました。
ワークショップ全体のレポートは,ここに掲載されています。
水資源機構琵琶湖開発総合管理所が管理運用している安曇川沖大型浮体に,1年以上設置させて頂いたGNSS-R観測装置を撤去しました。

プロジェクトが終了してみると,実は白浜や平塚の本格的な観測塔よりも安定してデータが収集できていて,海況が安定しているせいか綺麗なデータが取れました。観測の様々なノウハウも得ることができて,研究面では実に有益な観測になったと思います。
2017/02/13-14と,台南の国立成功大学を訪問して,台馬フェリーのデータ解析についての発表と打ち合わせを行いました。
2/14には,さらに南の高雄のTaiwan Ocean Research Instituteに移動して,台馬フェリーのデータ解析に関しての講演と,海洋レーダ観測に関しての打ち合わせを行いました。
さらに2/15に,基隆に停泊中の台馬之星フェリーにて,GPSアンテナの動作確認を行いました。なんと,アンテナ内部に水が浸入しており,錆びた状態で,交換が必要だと判明。アンテナを購入後に,また取り付けに台湾に行かないといけません。レドームも付けた方が安全そうです。

2016/12/10-11に,長崎スカイホテルにて,長崎県内の7校42名の高校生を対象としたサイエンスキャンプに講師として参加してきました。「海はどうして流れるか」というタイトルで授業を行った後,数人ごとのチームに分かれて海洋に関連するテーマを設定し,それを調査するための観測計画を討議して,翌日にポスター発表をしてもらいました。生徒さん達には慣れない作業で時間が不足気味でしたが,生物・水産から環境・エネルギーまで幅広い分野の独自性のあるテーマや仮説が提示されました。生徒さん達は,今の自分達の知識の範囲内で何ができるかを真摯に考えていて,科学教育の大切さを痛感しました。
このような機会を下さった関係各位に,この場を借りて厚く御礼申し上げます。
フランスの La Rochelleにて,海面高度計の国際ワークショップ Ocean Surface Topography Science Team (OSTST) meetingが10/31-11/4 の期間に開催されました。日本の高度計チームのPIとして参加し,”Volume transport variations in the Taiwan Strait in relation with the cross- and along-strait pressure gradients” の発表を行いました。