東京のRESTECで,今年度第一回の「 新規海洋ミッション研究会」に参加してきました。専門分野に応じて,いくつか提案を絞ってみることにして,私は主に海流計測関係を担当します。緊縮財政の折,なるべくコストパフォーマンスの高い計画を作成するのが宿題です。
東京のRESTECで,今年度第一回の「 新規海洋ミッション研究会」に参加してきました。専門分野に応じて,いくつか提案を絞ってみることにして,私は主に海流計測関係を担当します。緊縮財政の折,なるべくコストパフォーマンスの高い計画を作成するのが宿題です。
新型海面高度計COMPIRAは,実利用を念頭に置いたミッションですが,これまでにない全く新しいデータであることから,純粋にサイエンス目的の成果も期待できます。現在第一線で働くメンバーの方々に,高分解能・高頻度の海面高度データが得られたら,どのような点の理解が進むかについて検討してもらい,科学白書を作成してもらうための会合です。実際に打ち上がるのは7年くらい先の話ですが,新規の現象を素早く認識できるように,それまでに科学サイドも準備をしておくべきですね。
応用力学研究所の公開講座であるRIAMフォーラムが行われました。今年はちょっと形式を変えて,研究の類似性をもとに研究分野を混在させる試みで発表が行われました。応力研は環境・エネルギー・核融合と研究分野が広いので,例えば同じ「乱流」でも,その取扱いの違いを実感するには有効だったと思います。ただ,異なる分野のシナジー効果が出るには,まだまだ時間と手間がかかりそうにも思います。
理学部の高年次全学教育「海洋学概論」を,今年は3回分担当しました。専門ではない学生に,少ない回数で海洋・海流の全般を理解してもらうのは難しいですが,普段意識することのない海洋の役割について考えるきっかけになれば幸いです。と同時に,海をもっと身近に感じるようにさせないと,なかなか海洋学の裾野は広がらないな,とも痛感します。
フランスのパリのCNESで,ワークショップ”La terre vue de l’espace” に参加して,Altimetry in Marginal Seas and Coastal Waters の発表をしてきました。沿岸域での衛星観測の困難さとニーズの大きさ,JAXAが計画中のCOMPIRAの意義と,似た衛星であるSWOTとの違いなどを話してきました。
翌日は早朝からトゥールーズに向かい,CNESでの打ち合わせ,午後にはThales社でクリーンルーム内で作成中の高度計を観測してきました。なかなかハードなスケジュールでしたが,JAXA側のニーズとCNESやThalesの立場などの理解を深めるのには有効だったように思います。
東京で,JAXA関係の委員会2つに出席してきました。
後者は,これまでの海面高度計技術検討委員会の継承で,今後のCOMPIRA衛星について検討する親委員会です。アルゴリズムや測器などのエンジニアリングのチームと,cal/valなどのサイエンスチームが,この下で構成される予定です。
前者は新規立ち上げのチームで,「いろんな官庁が取得する海洋関係の観測データを収集・一元管理して再解析データを作成するような組織」に遠い将来に発展させたいという夢のある委員会ですが,さしあたっては「JAXA衛星を主体とした,特にニーズの高い沿岸海域でのデータ同化」を集中的に検討するようなチームになっています。まだ名称も決まっていませんが,こういった動きが将来的に実のあるものに発展していくと良いですね。
オープンキャンパスが開催されました。前日までの雨も上がり,まずまずの天候でした。研究室への訪問者も数人ありましたが,あまり一般の人に馴染みがない「海洋」の研究を発信するのは,なかなか難しいですね。来年度はもう少し工夫しようと思います。