九大応力研 市川 香

九州大学応用力学研究所准教授の 市川香です

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活動報告
日々の活動の報告です。 長期的にまとめた内容は,九大の教員データベースを参照してください。

2013/10/17 新規海洋ミッション研究会

東京神谷町の RESTEC本社で,新規海洋ミッションに関する研究会に出てきました。私の担当するテーマは海流観測ということで,既に開発研究中のCOMPIRAとは別型のミッションとして,随伴型の小型受信衛星を提案してみました。コストも控えめで,技術的には革新的で面白いのですが,得られるのが海面のスナップショットの流速で,分解能もそう高くはないため,そのデータセット単独ではあまり社会的なニーズに答えられないのが難点です。陸上で海洋レーダを配置した方が,コストパフォーマンスとしては高そうなので・・・・。

2013/10/07-11 7th CAW + OSTST Meeting at Boulder, Colorado, USA

アメリカのコロラド州ボルダ―で開催された, 7th Coastal Altimetry Workshop (CAW)と,Ocean Surface Topography Science Team (OSTST) Meeting に出席してきました。(http://www.joss.ucar.edu/meetings/ocean-surface-topography-science-team-ostst-meeting-and-7th-coastal-altimetry-workshop-caw)

OSTSTは衛星海面高度計に関する包括的な(センサー,軌道軌道決定,水蒸気補正,海面状態補正から,中規模渦,サブメソ渦,海水位上昇まで)会議ですが,今年は沿岸海面高度計に特化したワークショップであるCAWがジョイントしました。それほど,沿岸域での高度計の利用に対するニーズが高まっているということですね。私はCAWのScience Steering Comiteeなので,嬉しく思います。また,今回は会議中でもJAXAが開発研究中のCOMPIRAに関しての記述が増え,国際的な認知度が高まりつつあることを感じました。

ボルダ―は,さすが高地にあるだけあって,肌寒かったです。なお,数週間前に洪水になったばかりなので,比較的回復してきてはいましたが,川沿いには通行止めの箇所があったりして,まだ災害の跡が残っていました。  P_20131008_081411P_20131009_0733082013-10-11 17.34.45

 

2013/09/17-21 日本海洋学会秋季大会

札幌の北海道大学で行われた日本海洋学会秋季大会に参加してきました。震災に対する海洋汚染の問題などの特別セッションが設けられ,マスコミ取材など世間の関心の高さも感じ取ることができました。P_20130920_132806P_20130920_181358P_20130920_190312

2013/09/01-03 海洋レーダ新規設置用測量

上対馬の比田勝に近い山中に,海洋レーダを新規に設置するための土地整備作業に行ってきました。P_20130901_145619 P_20130901_150053

設置予定点でDGPS測量を行ったり,方位系でアンテナ設置方向を計測しています。P_20130901_171629P_20130901_153341

 

 

 

 

 

 

P_20130902_172017少しずつ雑木や竹藪を伐採して,アンテナ用の直線平面を確保していきます。左の写真だと,アンテナ方向の目安となる目印の杭ペグが打ってあります。

遠距離用の9MHzのレーダだと,約300mの直線距離が必要なので,土地の整備だけで3日ほどかかります。この後,アンテナの正確な位置を決定して,アンテナ張りやケーブル配線などをしていきます。まだまだ先は長いですね・・・。

2013/08/13 第一回沿岸予測コアグループ会合・第二回COMPIRA委員会

8月13日午後,東京での第一回沿岸予測コアグループ会合と第二回COMPIRA委員会に参加してきました。

前者は,新型高度計COMPIRAに端を発していますが,むしろ「沿岸GODAE」の役割が強いかもしれません。衛星と現場のデータを融合させて,利用者(tax payer)の使いやすいデータセットを作成するという,省庁間の枠を超えた活動をする組織作りの準備会合です。観測データの現業官庁どうしの融合はかねてから問題になっていた問題ですが,その取りまとめとしてJAXAが動いているのは興味深いです。ただ,取りまとめ役としては現業官庁とは別の機関(内閣府・海洋学会など)が動く方がスムースに事が運びそうな気もするので,COMPIRAを契機に沿岸GODAE的な組織作りが加速すると良いと思います。なお,今の段階ではデータ同化を主に組織作りをしていますが,ある程度枠組みが固まった段階で,データ取得の側に組織を拡張していく必要があります。

後者のCOMPIRA委員会では,「高分解能の面的な海面水位情報取得の科学的意義に関する白書」を作成する別委員会からのリクエストに,どの程度応じることができるかを検討しました。科学者は基本貪欲なので欲を言いだすとばキリがないのですが,技術的・予算的な観点から,どこまで応じることができるかを慎重に検討していきます。

2013/07/26 NHKスペシャル「伝説のイカ 宿命の闘い」に出演

NHKスペシャル 「伝説のイカ宿命の闘い」に出演しました。

小笠原の深海にすむダイオウイカが特定の時期と場所に出現した理由を、海洋物理学の観点から内部潮汐と関連付けて解説しています。本当は,中規模渦によって海洋内部の成層状態が変わり,同じ大潮でも該当時期は特に内部潮汐が大きかったところまで言いたかったのですが,一般視聴者には「中規模渦」が難しすぎるだろうという理由でカットされてしまいました。せっかくNASAの海面高度計の映像なども用意していたのですが・・・。

内部波や生物が専門ではない私が解説している理由は,実は肝心の中規模渦がカットされていたからだったんです。

IAPSO Assembly

Sweden の Gothenburg で行われた IAHS/IAPSO/IASPEI joint assemblyに参加して,”Coastal sea surface height variations as seen by GPS on a ferryboat”の発表をしてきました。ちょっと海洋の人は少なめだったような気がします。また,IAPSO Comissions on Mean Sea Level and Tidesにも参加してきました。Sea Levelの方は潮位計データ解析が主体で,衛星海面高度計の利用から切り離されているところに,むしろ驚きました。

涼しいし,親切な人も多く,とても良い都市でした。ちょっと税金が高いのが玉に瑕ですが。

2013/07/9,11,16,18 必修科目講義

大海専攻の必修科目の7章を担当して4回講義を行いました。

回転流体は学生さんに馴染みがないと思うので苦労したと思いますが,29日に試験がありますので,全員合格するようにしっかり勉強してください。

2013/07/04-05 北大低温研「宗谷暖流を始めとした対馬暖流系の変動メカニズム」シンポジウム

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北大低温研で行われたシンポジウム「宗谷暖流を始めとした対馬暖流系の変動メカニズム」に参加してきました。日本海側は九州から北海道まで,対馬暖流系によって「つながった」沿岸なので,知見が比較的共有できますね。

今年は,分解能の高い観測の結果が多かったですが,細かく測ると見えてくることと,未知であることが浮き彫りになる点が出てきて面白かったです。

2013/06/28 新規海洋ミッション研究会

東京のRESTECで,今年度第一回の「 新規海洋ミッション研究会」に参加してきました。専門分野に応じて,いくつか提案を絞ってみることにして,私は主に海流計測関係を担当します。緊縮財政の折,なるべくコストパフォーマンスの高い計画を作成するのが宿題です。